40代で気づいたADHD – 私が抱えていた「小さなしんどさ」の正体

夜空に浮かぶ三日月と街路樹のシルエット ADHDと私

43歳の秋、自身のADHDを疑い心療内科を受診しました。

診断は、不注意優勢型のADHD。

今回は、受診時点の私自身の症状について書いてみたいと思います。

日常のあちこちに潜んでいた地雷

以前から息子のADHDを疑い、「これでは彼は本来の力を発揮できないのでは…」と不安を感じていました。

しかし私自身もまた、日常生活のいたるところで小さなしんどさが積み重なっている状態だったのです。

なにかひとつ大きな問題があるというよりは、あちこちで小さな躓きが繰り返され、じわじわと消耗していくような感じでした。

片づけられない

一番しんどかったのは、家の中が永久に片づかないことでした。

子どもの頃から整理整頓・片づけは苦手で、大人になってもそれは変わらず。

その上、結婚・出産により同じく片づけが苦手な夫と長男が加わったことで、難易度はさらに上がりました。

いくら私が頑張って片づけても、家の中はすぐに元通り… 自分が散らかす分だけならまだしも、家族のモノまで綺麗に片づけるのは無理でした。

幸い私はモノへの執着がないタイプで、捨てることには抵抗がありません。

定期的に不要なモノを処分することで、どうにか「汚部屋」レベルにはならずに済んでいます。

それでも「リラックスできる空間」が一向に手に入らないというのは、長いこと悩みの種でした。

物事の先延ばし、先送り癖

「あとでやろう」と放置して、物事を発酵どころか腐らせてしまうことが多いのも悩みでした。

特に、行政手続きや病院関連が苦手です。

例えば、マイナンバーカードは更新のお知らせが届いていたのに手続きを先送りにして、結局失効させてしまったり。

「もしかしたら虫歯かも…」と思いながら、何ヶ月も受診を先送りにした結果、抜歯することになってしまったり。

抜歯にはかなりショックを受けたはずだったのに、喉元過ぎれば熱さを忘れる。

抜歯後に作った部分入れ歯も、入れるのが面倒で半年以上放置。その間に歯並びが変わったのか、入らなくなってしまいました。

健康診断も2年連続でスキップ…

自分の身体は何とでもなる、という感覚があるせいか、健康関連となると特にいい加減です。

お風呂が嫌い

ADHDあるあるかもしれませんが、私もお風呂が嫌いです。

嫌いというより、面倒でしかたがない。一言で「入浴」といっても、やることが多すぎて工程を考えただけでだるい。

入ったら入ったで、なかなか出られないし…。

とはいえ、入らないわけにもいかないので24時間に一度は入りますが、午前中になることがほとんどです。

一日の終わりにはお風呂に入る力なんて残っていないので。

そのため化粧をしたまま寝てしまうことも多く、翌日家を出る前に「このまま人と会うわけにはいかないから」と、しかたなくシャワーを浴びるパターンです。

夜、ゆっくり湯船に浸かってリラックスしてからぐっすり眠る。

それが理想だと、頭では分かっているんですけどね。

LINEの返信が遅い

LINEの返信が異様に遅い、あるいは返さないまま終わってしまうことが少なくありませんでした。

相手からのメッセージを確認して、「あとでちゃんと返そう」と思うのに・・・ 気がつくと数日が経過している。

時間が経てば経つほど返信しづらくなり、結局フェードアウト・・・ というパターンが頻発してしいました。

LINEや年賀状を返せないまま関係が途切れてしまった地元の友人、大学時代の先輩、昔の上司や同僚が何人かいます。

決して相手を軽視しているわけじゃないのに、たった一通のメッセージを送れなかったがために関係が切れてしまう。

なぜこうなってしまうのか、当時の自分にはまったく分かりませんでした。

進行する夜型生活

元々夜型の傾向はあったのですが、数年前に夕方〜夜の時間帯にパートを始めたことでさらに加速しました。

帰宅すると、目が冴えていて眠れない。こんなに元気なのに寝るのがもったいない・・・

ということで、スマホやPC、ゲームでついつい夜更かし。

就寝が2〜3時になるのが当たり前になってしまい、当然昼間は常に眠い状態。

昼寝をしてみてもスッキリせず、頭が冴えるのはどうしても深夜になります。

そして、日中できなかった活動を取り戻すべく「リベンジ夜更かし」を繰り返してしまう。

家にいる時間は長いのに家事は全く捗らず、部屋はいつも雑然としたまま、という悪循環でした。

本が読めない

書店で本を眺めるのは好きで、興味がある本は買うこともあるのですが、そのほとんどが「積ん読」状態です。

しかも妙な完璧主義もあるせいか、最初から一語一句、飛ばさずに読まないと気が済まない。

一所懸命文字を追ってもすぐに集中力が途切れてしまい、また冒頭から読み直し・・・ その繰り返しです。

視線は文字を追っているのに、頭の中では別のことを考えている。

もう何年もこんな感じで、まともに本を読めていません。

結果、私の情報源はSNSからの断片的な知識ばかりになり、体系的な知識はほとんど身についていないと感じます。

失くし物が多い

保護者面談の直前に、「名札がない!」

病院の予約時間直前に、「診察券がない!」

家の鍵、自転車の鍵、職場のIDカード・・・ 出かける直前になって必要な持ち物をドタバタと探し回るのなんて日常茶飯事。

タンスや引き出しなど、家中のあらゆる場所をひっくり返して探し回るため、外出前にはまるで空き巣に入られた後のように部屋がごちゃごちゃになってしまいます。

どこに何を置いたのか、思い出そうとしても全く記憶にないんですよね・・・

今も、現在進行形で長男の母子手帳とメインのクレジットカードが(おそらく家の中で)行方不明になっています。

考えすぎて動けない

何かをしようと思った瞬間、その結果やリスクをあれこれと想像してしまいます。

「もしこうなったら?」「でもああなったら・・・」と、脳内で分岐を延々と広げているうちに、結局何もできないまま時間が過ぎてしまう。

そして、何もしていないのにクタクタ、へとへとになってしまう。

一見「慎重」ともとれるこの傾向ですが、実は脳内多動実行機能の低下というADHDの症状とも考えられます。

会社員時代はこの傾向のせいで、メール一通送るのも大変でした。

今回、心療内科の予約を取るため電話をかけようとしたときも、まさにこの状態。

でも実際に電話してみると、思っていたよりすんなり予約が取れて、拍子抜けするほどでした。

大抵の場合、私の頭の中のシミュレーションの方が、現実よりよほど大変なのです。

ひとつひとつの問題は小さくても

どれもこれも、そのひとつだけをとってみれば大したことではないかもしれません。

問題がこれらのうち1つか2つなら、致命傷にはなりませんから。

でも私の場合、これらの全てが日常で、頻繁に、時に同時に起こる・・・ そうなるともう、全身アザだらけ・傷だらけ。

しかも、前の傷が癒えないうちにまた次のアザができる、といった具合です。

日常を生きているだけで、じわじわと体力を削られていくような感覚から、長年逃れられずにいました。

ひとつひとつの問題が小さいからこそ、受診や相談をしにくい気持ち、分かります。

でも、ひとつひとつの問題は小さくても、全部合わせると「ほぼ致命傷」。

そしてこれらは、バラバラな問題ではないのかも。

片付けられないことも、返信が遅いことも、一見するとそれぞれが別々の現象のようにも思えますが、実は全てが「ADHD」という根っこで繋がっているかもしれません。

だとしたら、「これくらいで…」と思わずに、相談してみていいと思うのです。

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